舞台【野球】飛行機雲のホームラン

行ってきました池袋暑かった。いや、熱かった。

永田くん観に行こう~と軽い気持ちでチケット取った東京千秋楽、凄かった…。
本当に素晴らしい舞台でした。

いい席だったというプラスアルファもありますが、いやもう本当に泣きすぎて頭痛い目が痛い胸が痛い。
お腹も痛くて晩御飯いらない。
これを観劇ダイエットと呼びます。(呼ばない)(熱中症では?)


パンフレットに田中良子さんのコメント、【恥ずかしながら稽古開始二分で号泣…】とありましたが、全く恥ずかしくないです。
私なぜか開始五秒で泣いてました。
DNAに刻まれてるんでしょうか。
私の前世は空襲で死んだんでしょうか。
とにかくあのセミの声と土のグラウンド、ただの夏休みみたいな場景にサイレンが鳴り響いただけで、これから起こる出来事を想像してしまって泣いたんです。


戦時中、野球は敵国である米国発祥の球技であるという理由で弾圧され、用語も【適正語】に変えられ、甲子園も中止。
当日朝、100回目の甲子園開幕をテレビで見ながら来たのに。

舞台には、74年前の甲子園を目指した、目指してもかなわなかった少年たちの姿がありました。

 

いつも楽しそうで元気いっぱいな会沢商業。

対するは大エース唐澤(多和田さん/たぶんダルビッシュ)擁する強豪・伏ヶ丘。

 

二時間半、ほんとに野球の試合です。
かっこいいピッチング、きっと当時のバッティングフォーム。
砂ぼこりが舞って、ミットに収まる白球。

声掛け、応援、アイコンタクト、作戦会議。

すべてが愛おしく、爽やかで、一生懸命で、でも悲しい野球でした。


マウンドに立つ、バッターボックスで対峙する。
ヒットを放つ、トンネルで失点する。

プレー中の要所要所で各選手にスポットが当たり、それぞれの事情が見えてきます。

 


会沢商業
イケイケドンドン、実力未知数。

主人公の均くん役の安西さん、すごいです。
会沢のエースピッチャー。
主役なんだけど、あえて「個」を消す演技というか、没個性ではなくて、でも目立ちすぎず、
チームの一員として、一人の飛行機乗りとして役割を全うした男です。


小西さん演じる、きちお君も見てて苦しかった、つらかった。
いつもお調子者なのに、それは弱虫な自分を隠す嘘で、
弱虫で「飛びたくない」から海軍に志願して、でも
「当たれ」
「当たれ」
「当たれ」

ここ辛すぎる。なんだって、こんな、むごたらしい作戦を思いつくんだろうね?
なんであんな可愛い子の運命がこんななんだろうね?

 


監督・菊池先生(軍人)
野球は門外漢ながら一生懸命生徒に寄り添い、愛される先生。(林田さん)
もうズルくないですか?
一幕あんなに笑いを取りまくって暴れまわって皆を笑顔にして。
生きてほしかった、先生・・・。
『打て!』

 

 

均くんの兄、穂積(軍人)
一幕、ずっと少年たちに厳しい仕打ちを続けて、でもその裏では…
つらい役回りを一身に担った男。

 

伏ヶ丘商業
強豪の貫禄。

会沢がいつもキャッキャしてるのに対し、一見クールで大人なチームに見えます。

エースピッチャー唐澤静。
多和田さんの存在感が凄いです。
均くんとの友情と、野球への愛と、エースとしての責任感。
本当に存在感が凄いです。
孤高の天才のようでいて、そうじゃない。
みんなが、あいつに未来を託したくなるのも分かる。そんなエースでした。
たぶんダルビッシュ


キャッチャー大竹明治
静の女房、永田せーちゃんです。
超かわいい菊丸だった彼ですが、この作品ではチーム内で『大エースのパートナー』としての役で、
チームメイトを案じる、試合展開を考える、そして静の背中を押して励ます、大石副部長の良い所も含んだような人でした。

カーテンコール時、目の前にいた永田くんの笑顔が晴れやかで、目が凄くキレイだったので、
ああ来てよかったなあ、と思いました。なんか気持ち悪くてすみません。

 

三番バッター佐々木新 役 伊崎龍次郎さん
目がキレイと言えばこの人。私はメガネ男子に弱い。
いやそうじゃなくて、佐々木は選手として普通に強いんで格好いいんです。一番好き。
バッターボックスに立ったときも堂々としてて、会沢キャッチャーのネチネチ精神攻撃にも動じないクールさ。
かと思えばメガネを外して『もったいないだろ。自分の目でボールを見たいんだ。』とかおセンチなことを言ってくるポエミーさ。
めっちゃ打つし。
会沢のエース均(安西さん)と相性が悪い(=均の分が悪い)、ゆえに敬遠さえる。
うっわ敬遠されたよ佐々木かっこいい。
長打あるんでしょうね。

仲間のバッターが戦ってる姿を見つめる目も、すげーキレイでした。

最後のボックスに立ったとき、メガネかけます。
佐々木本気出す=メガネかける。
自分だけのためじゃない、チームのために繋ぐ。
私はメガネ男子に弱い。
伊崎さん覚えました。名前かっこよすぎ。

 

唐澤ユメ役 田中良子さん
紅一点。静のお姉さんです。
自慢の弟・静を見守り、選手たちを応援する優しくて強い女性です。好きです。
女優さんって、なんであんなに細いの。

 

 

ラストで「飛行機雲のホームラン」ってタイトル、そういうことか…って分かるんですけど、分かるんですけど、
分かってしまうのがつらいよ…!

 

 


はあ、スタンディングオベーションでした東京千秋楽。
カーテンコール、目の前が左からメガネ佐々木(伊崎さん)、キャッチャー大竹(永田君)、菊池先生(林田さん)という
私得並びで神でした。
先生めっちゃ顔赤くして泣いてた。うう。

 

ほんとに、すごい、素晴らしい舞台をありがとうございました。

人が、生きてるってすごい事だな。

観に行けて良かったです。すべての人にありがとう。


8月末に大阪公演2回ということで。
大阪の方幸せですね。

 

あした台風こないでほしい…これよしでした。