D51-651 メガネ・シックス

やっと口内炎治ってきた(疲)。これよしです。

迷子になりそうで迷子になってない、でも
ちょっとだけ迷子になった下北沢シアター711にて。

テニミュで言うと3rdブン太君で御馴染み、大薮丘さん出演舞台に行ってきました。

まず下北沢という街。
商店街を抜けた所のボロ・・・あ、いや、レトロな、あ、味の有る劇場。

711もヤバイけど、(やばくないよ!)
隣のスズナリさんもスゲ~ヤバそう。東京って面白いなあ。

ボロかろうが何だろうが、毎日稼働してるのが凄いことですね。

 


詳しくは『下山事件』で検索。

 

主人公は『デゴイチ(D51)』かなあ。
割と前目の席だったんで、計器類とか燃える石炭とか良く見えたんですけど、
めちゃめちゃ気合入ってる美術すげえ。
狭い舞台の1/3から半分を占めるD51-651の操縦室。これと『レール』が主人公であり、舞台。

 

機関助士・一戸
あだ名は『イチ』くん。訛りを直せ!と起こられながら懸命に働く作業員。
王寺さんを尊敬し、瀬野さんを信頼する下っ端。
無意識に右手のハンマーをクルクルさせるのは、ボレーの天才たる所以なのか何なのか。
つい先月、横アリのど真ん中で歌ってた人ですよ。


機関士・王寺
おうじさん。オジサンだけどオジサンじゃないよ。
仕事一筋、機関車を愛し、D51を愛する男。
物語が進み、事件で色んな人が揺れ動くけど、王寺さんはいつもD51の傍にいる。
その様子がすごくホッとするんだけど、同時に凄く寂しくも有る。


車掌・瀬野
どうしよう、このヘビ顔好きかもしれない・・・
下山総裁への『弔辞』、どうしても私は瀬野さんの『遺書』に聞こえてしまう。
この劇場、音が近いんですよ。機関車の走る、レールの軋む轟音が迫ってくるようで、ほんとに轢かれそうで怖い。
うう、瀬野さん死ななくて良かった。瀬野さん生きてて良かった。
でも下山事件WIKIによると、後に病死されてるんですね。うう、瀬野さん・・・。


弁護士・末永
声が特徴あって目立つ。
セクシーとかの『エエ声』ではないんですけど、高くて、目立ってて、
国鉄側には『いい人っぽい』『インテリ』に聞こえて、
警察側にはイラッとさせる感じ。
あくまでイイ人一辺倒ではない、なんか好きです。


警察官・高岡
捜査一課の刑事。
顔がかっこよくて手足が長くて
顔が小さくてモデル体型な最初はイケ好かないけど実は熱血な刑事さん。
あの、足が長すぎて、取調室の机に足が納まらなくて結果的にすごい態度悪い姿勢になっちゃうの可愛いですよね。
後半、演技に熱が入ってきて、タバコとかメガネとかよく物を落とすんですけど
その度に体を小さく曲げてイチイチ律儀に小道具拾うんですよ。
最初はイケ好かない高圧的なオマワリでめっちゃムカツクんですけど、
組織に潰されそうになりながらも諦めずに捜査を続けるんですよ。ぜったい好き。


役人
あくまで名前は出ない、本人いわく『下っ端の役人』。
鉄道大好き少年が切符切ってる国鉄マンになり、いつしか『担ぎ上げられて』役人にまでなってしまった。
鉄道への愛は失ったわけじゃない。
途中、『生前の下山総裁』の役を演じるんですが、そこだけジャケットだけでも着替えるとか
ちょっとだけ変化してほしかった。あっコレ今までの役人+刑事じゃなくて
下山総裁+SPだって気付くの遅れました。不覚!

 

ひとつの事件によって、登場人物がそれぞれ違った立場から
行動したり、ぶつかり合ったりするの大好きです。


自分ひとりの能力や権力じゃどうしようもないこと、
誰かの力をかりて協力しあって、でも上手くいかないこと。
諦めたくないけど諦めなきゃいけないこと。
やりたくないけど執行しなきゃいけないこと。
負のレッテルがずっと消えないこと。

 

 


チケットたったの4000円。
せせこましい空間で、2時間ノンストップ笑い無しストレート。

ドンピシャ好み、大当たりの舞台でした。


特筆すべきは、登場人物が全員メガネ男子。

鉄オタの方にも、メガネ好きの方にももれなくオススメできます。


めっちゃ面白かったし、あんなに重苦しい話なのに最後ちょっと爽やかに希望が持てるもんね。


6人のメガネ男子、そしてD51の美術。
すごく良いものを見せてもらいました。ありがとう。